中国人との国際結婚
✤ 日本人と中国人との国際結婚手続きについてご説明します。
日本人と中国人との国際結婚手続きでは、日本で先に婚姻手続きをする「日本方式」と、中国で先に婚姻手続きをする「中国方式」に分けて説明します。日本で先に婚姻手続をするか、中国で先に婚姻手続きをするかは、お二人の状況によって変わってきます。よって、どちらが自分たちに都合が良いかを判断して選ぶことになります。
以下に日本方式、中国方式の説明をします。
日本で先に結婚(日本方式)
☀ 日本で先に婚姻手続をするには、中国人結婚相手が短期滞在ビザで日本に来て、日本の市区町村で婚姻届をするのが一般的です。なお、すでに日本在留のビザを持っている場合には短期滞在ビザは不要ですし(留学ビザや就労ビザ等)、また、中国人結婚相手が日本に来なくても、必要書類をそろえて日本人側のみで婚姻届をすることも可能です。
お二人そろって日本の市町村役場等で婚姻届をする場合で、中国人側が特に日本滞在のビザを持っていない場合には、中国現地の日本大使館で短期滞在ビザの許可を受けて日本に来る必要があります。
しかし、この短期滞在ビザの申請で苦労される方は多く、不許可となることもあるため、日本人側が中国に行って婚姻手続きをする「中国方式」を選ばれる方も多くいます。
流れとしては、中国人配偶者が中国で必要書類をそろえて来日し、日本人配偶者とともに市区町村役場にて婚姻手続をします。その後、日本で一緒に生活するために中国人配偶者に「日本人の配偶者等」というビザの取得の申請を入国管理局にします。
なお、入国管理局の申請では、認定証明書の交付申請と、在留資格変更許可の申請の2通りあり、前者であれば中国の日本大使館でビザ発給の手続きが必要ですが、後者であればそのまま中国人配偶者は日本に滞在できます。
中国人との国際結婚で日本の市区町村が要求する書類は一般的には以下になります。
日本の役所に婚姻届
※届出の際はあらかじめ届出先の役所に必ず確認をとってください。
1 婚姻届(証人2人が必要)。
2 日本人の戸籍謄本(本籍地以外で届出する場合)。
3 中国人の婚姻要件具備証明書(独身証明書等)※1
4 中国人の出生公証書※2
5 中国人の国籍公証書(またはパスポート提示でも可)※2
6 離婚歴のある場合は離婚証明書
◆ 中国語のものは日本語の翻訳文も一緒に提出する必要があります。なお翻訳機関は特に指定がないため、誰が翻訳してもかまいませんが、日付と翻訳者の署名が必要です。
※1 中国人の婚姻要件具備証明書は、在日中国大使館で取得することができます。必要書類は以下のとおりです。
※2 出生公証書は、中国の公証処で発行してもらいます。なお、国籍公証書は中国人本人がパスポートを提示するときは不要です。
上記の書類とともに婚姻届を済ませ、特に問題がなければ婚姻が成立します。戸籍謄本には中国人配偶者の名前が記載され、この戸籍謄本によって婚姻の成立を証明することができます。
なおこの後、中国側でも婚姻を成立させるため、中国側での手続きが必要かと思いますが、実は、在日中国大使館も中国本国の婚姻登記処も婚姻届を受け付けておりません。
先に日本側で婚姻をする「日本方式」の場合、国際結婚の成立は日本の役所への婚姻届ですでに成立しており、この時点ですでに中国側でも婚姻が成立したことを意味します。
しかし中国の婚姻登記処ではその婚姻について何も登記することはできません。なぜなら中国の婚姻登記処は結婚を成立させるための役所であり、すでに成立している結婚については何も受け付けないためです(中国大使館も同様)。
このようなことから、日本側で成立した結婚が、中国では何も記録されることがないため、中国人配偶者は中国では独身のままではないかと感じる方もいるかと思いますが、日本で成立した結婚は、記録はできなくても中国でも成立していることに違いはありません。
なお、もし気になるようでしたら、中国側で先に婚姻をする中国方式で手続きをすることで、中国側でも日本側でも結婚の記録を残すことができます。
また、中国人が住所地ごとに備えている戸口簿(戸籍・住民票のようなもの)には、婚姻欄があり、そこには既婚や未婚が記載されていますが、この記載を未婚から既婚に変えることはできます(中国の派出所にて)。
この後、中国人配偶者とともに日本で生活するために、入国管理局に在留資格「日本人の配偶者等」の申請が必要となります(結婚ビザについて)。
結婚ビザのについてもしご相談ございましたら、お気軽に当事務所にお問合せください(相談無料)。
中国で先に結婚(中国方式)
☀ 中国で先に婚姻手続をするには、日本人が中国に行き、中国の婚姻相手の戸籍地管轄の婚姻登記処(民政局)に2人で行く必要があります。
流れとしては、日本人側が日本で取得が必要となる書類をあらかじめ準備し中国に行きます。そして中国の婚姻登記機関に中国人配偶者と一緒に行き2人で婚姻登記手続をします。
その後、中国にある日本大使館または日本に戻ってから日本の市区町村に婚姻の届出をし、中国側からは結婚公証書、日本側からは婚姻が完了した戸籍謄本を取得し、その他のビザ申請に必要となる資料を用意して入国管理局にビザ申請をします。
ビザの証明書(認定証明書)が降りたら、その証明書を中国にいる中国人配偶者に発送し、中国人配偶者が中国の日本大使館にビザ発給手続をすることで、日本に日本人配偶者として来ることができます。
なお、中国方式による中国人との婚姻では、日本人に対しても中国婚姻法の要件が適用されるため、日本の婚姻要件と同じではないことには注意が必要です。日本の婚姻要件との違いで注意すべき点は、中国法では男性22歳以上、女性20歳以上でなければ婚姻できないことです(日本法では男性18歳以上、女性16歳以上)。
中国での結婚手続きで必要となる書類は以下です。
中国の役所で婚姻
※届出の際はあらかじめ届出先の役所に必ず確認をとってください。
1 日本人の婚姻要件具備証明書※1
2 日本人のパスポート
3 中国人の居民戸口簿4 中国人の居民身分証
5 その他、婚姻登記員の面前での未婚であることの声明書等
※ 日本語のものは中国語への翻訳が必要です。この翻訳文については中国側で翻訳機関を指定される場合もあるため、婚姻登記先で確認してから手続きをすすめてください。
また、その他の書類として戸籍謄本や納税証明書、前配偶者との離婚・死別歴のあるかたは離婚届受理証明書・死亡届受理証明書を求められる場合もあるため、中国の婚姻手続機関に確認をしながら準備を進めてください。
※1 上記の書類のうち、婚姻要件具備証明書(独身証明書)の取得先ですが、これは日本の本籍地の法務局で取得することもできますし、在中国の日本大使館・領事館で取得することもできます。よって必ずしも日本側で取得してから持っていく必要があるわけではございません。
さらに、在中国の日本大使館・領事館で取得した婚姻要件具備証明書には、あとで説明する日本の外務省からの公印確認や、日本の中国大使館からの領事認証という証明手続きをする必要がなく、さらに中国語への翻訳文も付いているためとても便利です。
在中国の日本大使館で婚姻要件具備証明書を取得する際に必要となる書類は以下です。
ただし一つ問題があります。日本人側としては短期滞在が認められている15日間に中国で婚姻手続等を済ませなければなりませんが、中国の婚姻手続先である婚姻登記処と、在中国の日本大使館・領事館との距離・移動時間を考えると、広大な中国では数日の泊まりがけ旅行となりかねない場合もございます。
そのため、結婚相手である中国人の戸籍地の婚姻登記処と、その管轄の日本大使館・領事館との距離・日程等をしっかり計算して、余裕があるようでしたら中国で取得することをおすすめしますが、仕事の関係などから中国滞在が短期になる場合には日本側で用意しておくほうが無難ということもございます。
なお、日本側で取得する場合にも実は面倒な問題があります。それは日本で取得した婚姻要件具備証明書には日本の外務省による公印確認と、在日本の中国大使館による領事認証という2つの認証を受け、この書類が間違いなく日本の公的機関で取得されたものであることの証明が必要になることです。
これら外務省の公印確認や中国大使館での認証手続きにつきましては、当事務所において代行手続きをさせていただくこともできますので、お気軽にお問合せ下さい。
中国の婚姻登記処にて婚姻手続が完了したあとは、在中国の日本大使館または日本に戻って来て日本の市区町村役場にて婚姻の届出をします(3カ月以内)。
在中国の日本大使館に婚姻の届出をする場合には、日本の戸籍謄本が完了するまでに時間がかかることなどもあるため、戸籍を早く完了させたい場合には日本の市区町村に直接届け出ることをおすすめします(郵送も可)。
なお届出には結婚公証書・出生公証書・国籍公証書などの証明書が必要となります(中国の公証処で取得。複数部もとめられることがありますので、余裕をもってご用意ください)。
結婚公証書については、入国管理局のビザ申請でも必要となるため、上記の公証書類は複数取得しておくことをおすすめします。
中国、日本で婚姻手続きが完了し、中国人配偶者とともに日本で生活する場合には、中国人配偶者に「日本人の配偶者等」という在留資格(ビザ)が必要となるため、入国管理局で申請をします(結婚ビザについて)。
入国管理局でのビザ申請のご相談なら当事務所にお気軽にお問合せください。
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当事務所でのご依頼料金
当事務所にて結婚ビザ(配偶者ビザ)申請をご依頼いただいた場合の料金は以下になります。着手時に料金の一部を着手金としていただき、残りの部分は許可取得時に成功報酬としていただいております。
着手金43,200円
+
成功報酬64,800円
※着手金は不許可でも返金できません。
※変更申請の方は許可時に入国管理局へ4000円の支払が必要です。